帰ってきた「あの女」とドイツの生活・育児事情について③(終)
10年近くに及ぶドイツの生活に疲れを感じ、日本に帰りたいとぼやく祐実。彼女の夫の勤務先は神奈川県に支社があるらしく、そこに異動願いを出すように夫に頼んでいるそうだ。
祐実👩「そしたら豚子にも頻繁に会えるしね!」
私🐷(やべえ、思い止まらせないと💀)「でもほら、日本での育児も大変よ!ママ友とかPTAとか」
祐実👩「あっちにもPTA的なものはあるよ~。年に2回位しか活動しないけど。健康的な食事を作るイベントで、サンドイッチにチーズ挟んだりしたよ」
私🐷(健康的な食事はサンドイッチなのか。日本だと一汁三菜だとか、まごはやさしいとか煩いから、楽で良いな)
祐実👩「それに、私はドイツ語ほとんど分からないふりをしてるから、ママ友とか面倒な関係もないよ!日本人会も面倒だから行かなくなった😉」
私🐷「……それだけテキトーに暮らしてても、やっぱりストレスは溜まるもんだね。気の合う人が一人いれば違うかな?」
祐実👩「駐在妻も日本人妻も、同じ在外邦人だから無理に仲良くしてるけど、日本で知り合ってたら仲良くならないタイプばかりでさ。特に、国際結婚してる人ってやっぱり変わってるよね。私が言うなって感じだけど(笑)」
セルフツッコミ出来るほど祐実は進歩した。さすがに「アンタ、前はインド人と国際結婚しとったやないかっ!」と言うのは躊躇われたので良かった。
私が無職のため、子供を保育園に入れる見込みが薄いことを話すと、祐実は大変そうだね。と同情の後
「近所のワーキングマザーは保育園には入れてないよ。みんな祖父母に面倒見て貰ってる。保育園ってあまり存在しないし。だから私も働けなかったな」と呟いた。
私🐷「祐実は最後にお母さんに会ったのはいつ?仲が良ければ困った時にドイツに来て貰えるのにね」
※祐実の親は私の親を軽く凌駕する毒親
祐実👩「15年前かな。仲が良ければ、そもそもインド人とも、駐在員とも結婚しないよ(笑)ずっと日本で、実家に近い人と結婚したと思う」
私🐷「そもそも論か(苦笑)15年はすごいね。敗北感あるな。私は冠婚葬祭では已む無く母に会うから、3年に1度くらいは会ってる。」
祐実👩「親と仲の悪さ対決で勝たなくて良いよ💦」
よもやま話が終わり、祐実と私は席を立った。
私🐷「またソナや他の友達と全員で一緒に会えるといいね。」
祐実👩「なるべく近いうちにね。あまり時間が経つとお互いの老化にびっくりするから(笑)」
私🐷「」
帰宅して祐実の変わらないマイペースさをぼやく私に、夫が微笑みながら言った。
夫👨「豚子、何だかんだ言って、祐実さんのこと好きだよね。よく話題に出すし、帰国したら必ず会いにいくじゃん」
私🐷「そ、そんなことないんだからねっ!」
(完)