Road to 玉の輿〜親友・ソナの婚活録⑧

嫌々ながら堀内氏を連れて、中央線沿線にある、ソナと私の家に帰ってきた。酔いざましのコーヒーを淹れる私を尻目に、堀内は、「どんな映画が好き?」などとしきりにソナに話しかけている。



ソナ👩「スイミングプールとか、抽象的な映画かな」



私🐷「私はアクションかファンタジーだね。てか、ソナと二人きりならともかく、私もいてソナばかりに話しかけるのは感じ悪いよ💢💢そんなんじゃ出世もしないし、好きな女からも好かれないよ。」



※私は酔っているので言いたい放題



堀内👨「俺ね、もう組織での出世とか興味ないの。3年企業で働いたら、この先同じ毎日が続くのかとうんざりしちゃってさ。キャバで黒服のバイトしてた時の方がやりがいがあったよ。だから親父に出資してもらって、自分の店を作ろうって思って。」



「親父の出資」と聞いて、それまでボーッとしていたソナの目が光った。さすがである。とりあえず親の資産と、最低限の社会経験とキャバクラの現場経験はあるらしい。



やがて夜明け頃、私に追い出されるようにして堀内は帰っていった。



私🐷「顔は世間的にはイケメンだけど、性格含め私的には一番苦手なタイプ。ソナはどう思う?」



ソナ👩「ちょっと幼いかな。お顔が悪くなくとも、尊敬やドキドキすることはないだろうね。でも、誘われたら昼間にデートを1回位はするかも」


ソナの1回で切り捨てない姿勢は偉いが‥時間の無駄な気もするけど。



ソナ👩「どんな相手、どんなデートにも無駄はないよ。そこから学べることは色々ある。このタイプはこんな態度で接すると良いんだな、とか。」



私は心からソナを尊敬した。堀内ではなく、ソナがキャバクラを経営した方がずっとうまく行くだろう。



名倉から「大丈夫だったか?あいつ、失礼がなかった?」
と電話がかかってきた。



私🐷「まあ失礼だったけど、なんで私にああゆうタイプ紹介するかね?見るからに合わなそうじゃない?」


名倉👨「逆にだからこそ、あいつが人生で暴走したら冷静にキサラギが止めてくれるかと思ったんだけど」



私🐷「お互い、見た目がタイプの端にもかからなければ何も生まれないことが分かった。まあソナが彼を気に入れば、ソナもしっかりしてるからね。次は軽井沢の別荘でピアノ弾いてる美青年を紹介してね!」


さて、ソナが最終的に誰を選んだかと言いますと‥(続く)