Road to 玉の輿〜親友・ソナの婚活録⑥

それから1ヶ月ほど、アブドゥルとソナは毎晩のようにバーやオペラ鑑賞などでデートを重ねていた。
 


ソナ👩「オペラとか、これまで付き合った人とは違って教養が高い感じ!!本国でもこういう生活が出来るのかな」



私🐷「そんな生活は毎日じゃないよ。アブドゥルも付き合い初めだから太っ腹なだけ。せいぜい、ミス・サイゴンやマダムバタフライにならないように気をつけて」



ソナ👩「豚子って、見た目は優しい感じなのに、シビアだし皮肉屋だよね。だからモテないんだよ。そのキャラだとすっごいクール系美人じゃないと無理でしょ。女の子はキャピっと浮かれた感じに振る舞うのも大事なんだよ。」



なぜ毎回ダメ出しをされる。安い家賃で居候しているから腹いせされているのだろうか。



私🐷「大体、アブドゥルは結婚願望あるのか、あっても日本でするかなあ?」



ソナ👩「彼もう38歳だからあると思う。」



私🐷「38!もう結婚してんじゃないの!?大体経済力あってそんな年まで独身なんてどこか問題あるよ。」


(※今の私はそんな偏見はないのですが、当時は世間知らずかの小娘だったのと、2006年の話でまだまだ世の中が保守的だったことをお含みおき下さい)



さらに1ヶ月。ソナの表情が曇ることが多くなった。



ソナ👩「最近、ディナーなのに1000円位のお店が多くなったの。それに、理想の結婚生活を聞いてみたら、僕は結婚願望あまりないって。ソナは特別だから考えてみるとは言ってたけど‥」



私🐷「じゃあ、結婚するための人を探してるんだから、彼と付き合う意味がなくなってきたよね。損益分岐点というか、楽しいと感じられなくなったら別れたらどうかな?」



ソナ👩「そうだね。今から別れメール送る。」


私🐷「早っ!」


‥デキる女の決断の素早さは一瞬の雷鳴の如し。


アブドゥルが既婚者かどうかは今でも分かりかねますが、婚活者には独身でも結婚願望の無い人と付き合う暇なんてないですからね。


ソナの次のお相手は私の大学の友人、名倉がらみでやって来たのでした。(続く)