いつかこの恋を思い出して、きっと笑ってしまう⑥

健太郎の両親は駆け落ち同然の大恋愛結婚と聞いていたのに、母はお見合い結婚だと言う。そして、父は勤務先の役員の親戚だと…




当然ながら兎子は混乱し、絶句した。その様子を見て健太郎の母も訝しく思ったのか、二人を気まずい沈黙が包んだ😱しかし健太郎の母は思いやりに満ちた女性らしく、話題を変えようとしてくれた。





健太郎母👩「兎子さん、健太郎は真面目に勉強してますか?アルバイトかコンサートに行った話題しかしてこないけど、あんな感じで就職出来るのかしら?公務員になりたいと言ってたんだけどね。」




兎子🐰「公務員?健太郎くんはお父様の会社を継ぐのじゃないですか?」




健太郎母👩「継ぐって、うちの主人はサラリーマンですけれど…」



沈黙再び。だが、兎子は健太郎母が一瞬ではあるが般若👹のような表情をしたのを見逃さなかった。
その時電話を終えた健太郎が、「お待たせ」と言いながら帰ってきた。




健太郎母👩「健太郎。今日はもう8時だし、兎子さんのお家も心配していらっしゃるわ。駅までお送りしなさい。その後、あなただけ戻ってきなさい」




健太郎👨「まだ8時だよ!?兎子ちゃんのお家、そこまで厳しい家では…」




健太郎母👩「いいから!行きなさい!」




兎子🐰「あ、私一人で大丈夫ですよ!駅は近いですし。今日はありがとうございました💦」




雲行きの怪しさを察知した兎子は健太郎を置いて逃げることにしたが、帰りのメトロの中では脳裏に様々な疑問が渦巻いていた。


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翌土曜日の夕方、健太郎の母もそろそろ群馬だか埼玉だかの実家に帰っただろう…と兎子は健太郎に電話してみた。10コール…📞出ない。「お母様、私のことどう言ってた?」とメールも送ったが、日曜日になっても返ってこなかった。




翌週。サークルの部室にも健太郎の姿は無かった。




兎子🐰(もう5日も連絡が取れない…体調悪いのかな?すごくシャクだけど、健太郎くんと同じ大学の多香子に聞いてみようか…)




多香子に話しかけると、健太郎の話題と聞くや嫌そうな顔をしたが…



多香子👩「うん、あいつ大学でも見ないよ。同じ学部の子に聞かないと詳しくは分からないけどね。…だけどよく私に聞く気になったね。健太郎から、私の悪口聞いてない?」




兎子🐰「うーん、うちら高校の時も色々あったじゃん?正直話しかけづらくて。それに健太郎くんは、多香子に酷い別れ方をされたと聞いたから。」




多香子👩「別れ方ぁ!?健太郎と付き合ったことなんか1日もないんだけど!意味わからない!!」




兎子🐰「…え?」(再び💦)


    
次回が健太郎編ラストです!(続く)