毒親から逃げ切った人生のその後【フレネミー撃退編・中】

2000年代初頭、私はC県のあまり偏差値の高くない高校からそこそこ有名な某大学に進学した。そこで新しく知り合った友人達は、一定の教養と良識を備えていた。


まず非常にレベルの低い話だが、時間や約束を厳守するし、やむを得ない事情で守れないなら、リスケジュール出来る時間内に連絡をくれるのである。



当時の私は「この子達は育ちが良くてしっかりしている。連絡なく10~30分も遅れてくる高校の友人とは全然違うな~😲」と感銘を受けた。(※高校にもしっかりした子は居たはずだが、ただ私という人間のレベルに合った友人が集まっただけである)



教養面でも法律から民族学までの幅広い知識がある上に、裁判の傍聴が趣味だったり、NGOのスタッフだったりする。会話していて刺激的💡だった。



新しい友人といる方が楽しく、世界が広がる気はする。一方であまりにも自分よりレベルが高い子達なので引け目を感じ、土日や夏期休暇は前述の高校の友人と会う方が圧倒的に多かった。



ところで、人文科学系の学生は地味になるか、エスニックやロリータ、サブカルなど極端なファッションになりがちな傾向がある。



私はと言えば、高校卒業まで周囲に合わせてアルバローザやジャイロ、セシルマクビー(懐かしい)などギャル系の服装をしてアイメイクもガッツリしていた。


しかし徐々にTシャツにロングスカートやシャツワンピ+ジーンズなど、サブカルナチュラル系統になって行った。もともとオタク気質だし、遺跡の発掘保全のバイトや、図書館で古い文献を参照したりするのにはその方が合っている気もしたからだ。



沙織と桃子と3人で、神戸に旅行に行ったのは大学3年の終わり位だったか。二人はもう社会人になっていた。待ち合わせに適当なまとめ髪&パーカーとロングワンピースで来た私を見て、沙織が露骨に冷笑的な口調で言った。



沙織「キサラギ、この間○○君【沙織の友人】がキサラギのことタイプだから紹介してって言ってたけどどう?あの子、顔は普通か少し可愛いレベルで、ダサい服の女の子が好きみたいだから」



私はその見下す口調と内容にムッとした💢。すると桃子も横から「もう少し、服とか気を遣ったら。キサラギの大学の友達も垢抜けない子ばかりだよね。もっと色々な人と知り合った方が良いんじゃない」と言い放った。



この二人はギャル系だが、大学の友人は服装がサブカル系だと言うだけで、垢抜けないわけじゃない。
何より、二人より大学の友人の方が広い視野を持っている。自分はともかく、他の友人を見下されたのは看過出来なかった。



大学で友人に恵まれたことと、この旅行をきっかけに、私は高校の友人二人のフレネミー要素に気づき始めるのだった。(続く)



……しかし、サブカル系って今も昔も、同じサブカル男子以外には受けが悪いよね……。