東京福祉大の留学生大量行方不明事案について、法務省に対して思うこと・下

そもそも留学生はどういうプロセスで日本に来るのか。日本語学校の多くは、現地の留学生募集エージェントと組んでいる。



エージェントから斡旋された学生に対し、大手の教育熱心な日本語学校は、現地で学生選抜のために筆記試験や面接、親との面談まで行う。学力が一定以下だったり、親との連携がうまくいかないであろう学生は最初から弾くのである。



ところが、学生=学費と考えているような学校は、エージェントの持ってきたリストをそのまま何ら選別せず受け入れてしまう。



こうして集まった学生達の願書や履歴書を、学校は学歴証明や資産の証明、戸籍などと共に入管に提出し、入国出来るか審査の結果を待つ。



つまり……学校が学生を選考する条件は、各学校に委ねられており、入管の関知しないところである。
(高等学校を修了している等の制限はあるが。)



学校が正しく選抜しているという性善説をもとに、募集しており、入国審査にかけるまではどんな学生を募集しようが学校の裁量次第である。性善説というか、入管は選考まで手が回らないから丸投げだよということだろう。



不法滞在者になるような留学生の入国を防ぐには、ここからメスを入れなくてはならないと思う。
例えば日本語能力試験の○級合格を申請の必須条件にするとか、もしくは法務省が作成した学力テストをオンラインでやらせて、基準以下の得点では入国できないようにする等。



能力試験は3級以上、学力テストは日本の平均的な高校生レベルにすれば、そこに達していない学生の方が多いのだからぐっと申請数は減少するだろう。
また、学力のある学生に限定すれば、書類審査を現在ほど厳格にする必要もなくなると考えている。




なぜなら、本人が学力が高かったり、留学前に一定の日本語力があるなら、来日の動機が出稼ぎでなく留学であることに信憑性が高まるからだ。




それに加え、学力が一定以上の学生は家庭の収入水準や教養水準が高いこともある。実際はまともに中学校も出ていないのに、偽造の学歴証明や親の偽造預金通帳を出してくる申請者の、うんざりするような大量のニセ書類を審査する時間も減るだろう。



……と書いてきたけど、このシステム構築は予算、人員、システム全取っ替えの関係で不可能に近いだろうし、留学生なら法務省というより文科省がすべきことだよね。そして文科省日本語学校にはノータッチだし、利権の関係で、大学や専門学校が減るのを嫌がるからやらないだろうな~。



最後に東京福祉大学はじめ、留学生で財政が成り立っている学校に言っておく。



法務省の入国審査や在留管理は大部分が各機関に丸投げで無責任な上、効率も悪いのは確かだが、東京福祉大学みたいな大学・専門学校には責任はないのか?と言ったら大有りだ!!



もともと優秀な学生だったのに、うっかり日本語学校や友人に騙されてこのテの学校に入学してしまったために、何年も無駄にして学力が上がらず、就職も決まらない外国人を複数知っていて同情せざるを得ない。


外国人の進学は情報も限定的だし、自己責任とは言い難い面がある。教育出来ないなら教育機関を名乗るんじゃないよ!

                   (完)