実録・次々と宗教やマルチにはまる親⑬ボーダーラインの女

2000年になった。私は大学に入り、同じように考古学や史学を愛するオタ…いや、教養のある友人達と蒼天航路(※三國志漫画)の話をしたりして毎日楽しく暮らしていた。



伯母の家に下宿はしているが、離れにいて食事も自炊なのであまり顔を合わさない。それに、週末しか親に会わない生活は、なんて楽なんだろう🎵



更に時間が過ぎ、2001年。週末、実家に帰り、門をくぐると妹の兔子が暗い顔をして出てきた。



妹🐰「お帰り、姉さん。ちょっとそこの公園で話さない?」深刻そうな様子に、妹に付き添って缶コーヒーを買い公園のベンチに座る。


妹🐰「姉さん、どうしてうちの母さんて頭がおかしいんだと思う?」



私は飲もうとした缶コーヒーを喉にひっかけ、噎せながら「あなたもそう思うんだ💧親の教育が悪かったんじゃないの?あと、若い頃しか働いてないし世間を知らないんじゃん?」と答えた。



妹🐰「私も母さんは単なる世間知らずで、家が汚いのもズボラなだけだと思ってた。でも進路の面談で突然うちの担任にキレてから、そういうレベルじゃなくて何かの精神病だと思ったの。」



…そんなことが…まだ中学生なのに修羅場に巻き込まれた妹が不憫である。



私🐷「母さんってうちらとは仲良くないけど、鹿男〈弟〉とはうまく行ってるし、人の好き嫌いが激しいんじゃない?」


妹🐰「鹿男か、あいつも何かおかしいからね。」


兄に対して呼び捨てした上にこの言い草である。



妹🐰「鹿男って姉さんのこと、『すぐにキレたりして情緒不安定だよね。お姉ちゃんが居ないと家が平和で良いや』とか言ってるんだよ。姉さんがキレるのは、母さんが喧嘩売ってるからなのに」



相変わらずの鹿男には腹が立ったが、私は「すぐにキレる」という一言が気になった。自分はむしろ標準より穏やかな人間だと思っていたからだ。



後日。「キレやすい」「精神病」で検索してみた病名の中に「境界性人格障害(ボーダーライン症候群)」というものがあった。



特徴はリストカット、薬の過剰摂取で病院に搬送、性的逸脱、恋人に異常な束縛や暴力、罵倒…


私🐷(私はこんな事しないから、普通の人だ!良かった~。むしろ淡白な人間じゃないかな?


大学の先輩に気に入られて断りきれず付き合ったけど、「豚子ちゃんの純粋な感じが好きだよ」「来週は俺と友達に料理作ってね♥」とかキャラの押し付けがウザいので、2週間で着信拒否にしたし。


それにボーダーは年上の男性に父親的なものを求めるとあるけど…19歳の私には、誘われた合コンに来ている30前後の男性達は「肌の疲れたオジサン」「女子大生と付き合えるオヤジって、自分も精神的に幼いんじゃないの?」としか思えない。)


※アラサーの男性すみません!今の私から見ればピチピチの若い兄ちゃんですよ💦あくまで当時ね!


私🐷(…なんだ、私はやっぱりボーダーなんかじゃない❤原くん以外に好きな人がいたこともないし。)


私は安心しむしろ淡白な自分を案じたが、それは単に自分が好みの男性に出会ってないだけだった。


翌年、ターゲットを見つけた私は「恐怖のボーダー加害・ストーカー女」へとジョブチェンジするのである😱



ちなみにこの頃母は生長の家(※伏せ字なし)を続けつつ、30万円もする高価な掃除機を買わされ、知人にもそれを勧める新たなマルチ商法に足を突っ込んでいた。



私は週末だけ実家に帰っていたが段々それすら面倒になり、帰る頻度は月に一度になっていた。母との会話や関わりを避けたままだった。(続く)