Road to 玉の輿~親友・ソナの婚活録③

翌週明けの夕方。ソナの部屋には服という服が積まれていた。私が呆気に取られていると、ソナはまなじりを上げて決意の強そうな表情をこちらに向けた。



ソナ👩「子供っぽいデザインや、安い生地や穴だらけのデニムなんかは全部捨てる。手伝って。欲しいものがあったら持っていって。」



私🐷「あなたの服、細すぎて私が着られるわけがないよ。もったいない~💦フリマで売れば?」



ソナ👩「捨てる方がさっぱりするし、運気も変わるよ。営業ウーマンみたいなカッチリ服か、恵比寿のピアノバーや、オペラを見に行けるような服しか残さない。貧乏人と居たら不自然な雰囲気を作る。」




私は思わず、自分が着ている楽天の激安カジュアル服サイトで買った2900円のワンピースをまじまじと見てしまった。確かに私に寄ってくる男性は二留中の学生とかフリーターとかばかりだ。


私🐷(でも私は婚活してるわけじゃないし……)



とりあえず現実から目をそらしておいた。



ソナは夜までに手持ちの服の6割を捨ててしまい、シンプルなワンピース、ドレープのある上品なカットソー、膝下丈のタイトスカートやストールなど、モノトーンかベージュの服を残した。



ソナ👩「これで、部屋も私の雰囲気もさっぱりした。さて、と。」



次に彼女はガラケー(2006年だから)を取りだし、おもむろにメールを打ち始めた。


ソナ👩「ずっと言い寄ってきてる大学時代の知り合いが居てさ。サシで飲むのは嫌だけど、今回はメガバン勤務の先輩も一緒にどうかって誘われたから、人脈作りに行ってみる!豚子もどう?」



私はジャージに着替え終わり、「ワンダと巨像」の5体目の巨像に苦戦しながら「え?何か言った?」と聞き返した。


ソナ👩「何でもないわ。忘れて。」


                  (続く)