いつかこの恋を思い出して、きっと笑ってしまう③

「自分に好意を持った誰かと付き合う」ことは、並の容姿の女性にとって難しいことではない。たが、自分「が」好意を持った男性と付き合うことは、少しばかり容姿が良くてもかなりハード。



坂口健太郎ルックスでモテ男の健太郎と付き合うため、並の容姿の私の妹兎子が取った作戦は…「全面的理解者モード」だっ!



サークルで健太郎がつまらなそうにしている時、好きな音楽家がリチャードクレイダーマンだと言った時、とにかく同調!!本当はキックザカンクルーが好きとか言わないように気を付けていたらしい。



服もzipper系からnon-no系にチェンジし、ゆるふわパーマで天使を強調。特徴の無い薄い顔に、華やかな髪型がよく似合ってる。



健太郎と兎子はコンサートや映画に連れだって出かけるようになり、電話も頻繁にするようになった。



兎子🐰(居間で電話中)📞「大丈夫、健太郎くんならゼミの発表もうまく行くよ。でも無理しないでね、最近元気無いから心配よ♥」



私🐷(離れた場所から)「ねえ、兎子のあのしゃべり方なんなの?家族の前では『マジうぜえ、死ねし』『腹へった』しか言わないのに😱」



弟👨「お姉ちゃん、今の彼女は兎子じゃないんだ。フォースの力で一瞬ダークサイドからライトサイドに戻ってきたんだよ。」



兎子🐰📞「(保留)何を盗み聴いてんだよ、死ねよ👿


(保留解除)あっ、健太郎くんごめんね、お兄ちゃんがご飯だって呼びに来てくれたんだあ💦」



私&弟(いつまで自分を偽れるものだろうか…)



努力の甲斐あって、健太郎は兎子と付き合うことになった。彼氏彼女としての最初のデート。健太郎は憂いを浮かべた顔で兎子に告げた。



健太郎👨「付き合うに当たって、兎ちゃんにはちゃんと言わなくちゃ。僕の父は日本人じゃないんだ。朝鮮戦争の時、祖父と祖母は赤ん坊だった父を連れて、難民として日本に渡ったんだよ」(続く)